Ethernet LANケーブルについて
スタジオ構築をするプロジェクトに関わっており、一旦Ethernetについてまとめてみようと思いました。
そもそもLANケーブルとEthernetケーブルって一緒?
IEEE (アイ・トリプル・イー、Institute of Electrical and Electronics Engineers)という世界最大の学会(電気・情報工学分野の学術研究団体)があり、IEEE802という委員会でLAN規格を決めており、IEEE802.3というセクションでイーサネット有線LANに関するワーキンググループがあるんだとか。
WikiでDig できます。IEEE802.3
LANとは、Local Area Networkの略称なので、同一建物や敷地内の範囲で構築する構内データ通信ネットワークとのこと。
有線LANは、物理的に機器同士を接続するネットワークになります。そのケーブルをLANケーブルと言えますね。
では無線LANって。。。
IEEE802.11がそのセクションになるそうで、また別物として考えるようです。
では、Ethernetって。。
Ethernet規格のことで、この規格に対応したケーブルが3種類あり、コネクターの種類はとっても色々。。
同軸ケーブル
テレビのアンテナ線やCATVのインターネット接続などに使われています。
10BASE-5や10BASE-2の規格で使われていました。
LANケーブル
インターネット接続に使われるスター型のイーサネットです。有線接続によってパソコンでインターネットを利用するためには、LANケーブルが欠かせません。
10BASE-Tから10GBASE-Tの規格がある
光ファイバケーブル
大容量のデータを高速で送受信することができます。そのため従来の方式よりも高速通信が可能です。回線を流れる信号が減衰したり散乱したりするリスクが低く、伝送損失が少ないという特徴があり、画質や音質の低下、速度低下が起こりにくいです。
1000BASE-LXや10GBASE-LX4などの規格がり、規格には波長(nm)、帯域(MHz)と最長距離が変わる
ということで、LANケーブルは、Ethernet規格に対応したケーブルになります。
なんかスッキリしませんが、Ethernetの規格に対応したケーブルの中で、LANケーブルが最も普及しているので、Ethernetって言うとLANケーブルって言う印象が強いんですね。
結局”イーサネットランケーブル”って言えば正解のようだと思う。
カテゴリ | 最大通信速度 | 伝送帯域 | 最大配線長 | 配線規格名 | IEEE 802.3an (10GBASE-T) 10GbE |
IEEE 802.3bz (2.5/5GBASE-T) 2.5/5GbE |
IEEE 802.3ab (1000BASE-T) 1GbE |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Cat5e | 1Gbps | 100MHz | 100m(注1) | ANSI/TIA/EIA-568-B.2 | ×非対応 | ◯対応 | ◯対応 |
Cat6 | 250MHz | ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1 | △対応 | ||||
Cat6a | 10Gbps | 500MHz | ANSI/TIA-568-B.2-10 | ◯対応 | |||
Cat7 | 600MHz | ISO/IEC 11801 (注2) | |||||
Cat7a | 1000MHz | ||||||
Cat8 | 40Gbps | 2000MHz | 30m | ANSI/TIA-568.C-2-1 |
(注1)10GbEで通信できるケーブル長上限は55m。ケーブル長55m以上、100m以下の場合は1GbEになります。
(注2) カテゴリーを含めたLANケーブルの標準規格は、【ISO/IEC】と【JIS】(日本工業規格)と【ANSI/ TIA】─の三つの標準化団体が定めている。しかしながらアメリカの規格【ANSI/TIA】では【Cat7】の規格は存在しません。
LANケーブルのコネクタの規格
「RJ-45」、「GG-45」、「ARJ-45」、「TERA」があり、Cat7aには、「TERA」や「ARJ-45」、「GG-45」が採用されており、厳密なEthernet規格からは除外されているようです。
メモ※コネクタとプラグの違い
プラグ:ケーブルの差す側
ジャック:差し込み口の側
コネクタ:プラグとジャックを合わせた、ケーブルと機材をつなぐ部分全体
LANケーブルの種類について
Cat7ケーブルはデータセンター向けケーブルで、プラグの形状の互換性の問題からか、日本ではCat7ケーブルがほとんど普及していません。
さらに、市販のCat6e/Cat 7/Cat8ケーブルは、メーカーの独自解釈・独自規格であり、規格に準拠したものではないと言うことで、国内大手メーカー、電材メーカーの業者向けカタログにCat7は掲載されていないようです。
と言うことで現状Cat6a の一択でもいいのかということか。
もう少しDigると、
LANケーブルを長く使いたい場合
「単線」と「撚り線」があります。
単線:1芯が1本の銅線となっていて、安定した通信が可能。10m以上推奨
撚り線:1芯が7本の細い銅線で構成され柔くて取り回しがし易い。5m以下推奨
使用環境によってセレクトしたいケーブルの仕様
STP(Shielded Twisted Pair):シールド処理が施されているペアの撚りケーブルで電磁波やノイズへの高い耐性を実現しています
ScTP(2重シールド)ケーブル:LANケーブルの内部で発生することがあるエイリアンクロストーク(漏話、混線、混信)にも対応しているので、安定感を求める方におすすめです。
UTP(Unshielded Twisted Pair):シールド処理が施されていない、ペアの撚りケーブル
UTPには、ストレートケーブルとクロスケーブルの2種類あります。
ストレートケーブル:ケーブル内をストレートに配線されていて、両端のピンに同じ順番で結線されているケーブル。
クロスケーブル:ケーブル内の8本の銅線がクロスに配線されているケーブルで、両端のピンに異なる順番で結線されているケーブル。
PoE(Power over Ethernet)対応:電力供給ができ、防犯カメラPoE対応機器などで電源の個別配線が不要になる
フラット:カーペット下や床に最適
極細:極細は取り回しに最適
巻き取り:外出時の持ち運び
金属外皮:ペットが噛んでも断線しにくい
屋外用:耐候性が強く、劣化しにくい
撮影スタジオにケーブルを敷設する場合のCat6aですとこんなところでしょうか。
そもそもLANケーブルがMacBook PRoには搭載されていない昨今。。
スイッチングハブをを少し洗っってみます。
10Gbps対応スイッチングハブ
10GbE対応=IEEE802.3an(10GBASE-T)ということになり、Cat6aで威力が発揮できることになります。
Buffalo製
TP LINKから
今後伝送速度は、どんどん進んで800Gbpsになると言われてますが、そうなると光ファイバケーブルが採用されていくようです。
時代はまだ先のようですが、規格としては成立しており、業務用では流通してます。
10Gbe対応Thunderboltドック
2.5Gbpsや5Gbpsがあるものの、10Gbpsがあまりないようです。
10GBASEの主な仕様
10GBASE-SR | マルチモードファイバケーブル | OM1/OM2準拠マルチモードファイバケーブル使用で最大伝送距離は33m OM3準拠マルチモードファイバケーブル使用で最大伝送距離は300m OM4準拠マルチモードファイバケーブル使用で最大伝送距離は550m |
10GBASE-LR | シングルモードファイバケーブル | 最大伝送距離は10km |
10GBASE-ER | シングルモードファイバケーブル | 最大伝送距離は40km |
10GBASE-LRM | マルチモードファイバケーブル | OM1/OM2準拠マルチモードファイバケーブル使用で最大伝送距離は220m OM3/OM4準拠マルチモードファイバケーブル使用で最大伝送距離は260m |
10GBASE-LX4 | シングルモードファイバケーブル マルチモードファイバケーブル | OM1/OM2/OM3/OM4準拠マルチモードファイバケーブル使用で最大伝送距離は300m シングルモードファイバケーブル使用で最大伝送距離は10km |
10GBASE-CX4 | 同軸ケーブル | 最大伝送距離は15m |
10GBASE-T | ツイストペアケーブル | 最大伝送距離は100m |
光ファイバケーブルにはマルチモードとシングルモードの 2 つのタイプがあり、マルチモード ファイバ ケーブルは5種類あります。
使用するモジュールの種類や、敷設したい距離によりケーブルを選択する必要があります。
FDDI(Fiber Distributed Data Interface):光ファイバ分散データインタフェース。LAN用として初期のネットワークで導入された100Base-Tファイバケーブル。 今はあまり見かけません。
OS2:1383nm波長帯の損失を低減することで、広帯域(1260nm~1625nm)での低損失を実現する光ファイバです。汎用SMの上位互換となり既存システムへも使用できます。
OM1: FDDIのケーブルよりも帯域幅が拡張され最大距離が長くなった。
OM2:ファイバのコアがFDDI/OM1の 62.5ミクロンから50ミクロンに変更され最大距離が長くなった。
OM3:10GBASE-SRで最大300mまで通信可能。OM2よりも帯域幅がさらに拡張され最大距離が長くなった。OM4もOM5帯域幅、最大距離が長くなっている。
種類(MMF/SMF) | 光源 | 最小モード帯域(MHz・km) | 1GbE | 10GbE | 40GbE | 100GbE |
OS1 | LED | / | ||||
OS2 | / | |||||
OM1 | 200MHz*km | 275m | 33m | / | / | |
OM2 | 500MHz*km | 550m | 82m | / | / | |
OM3 | VCSEL | 2000MHz*km | / | 300m | 100m | 70m |
OM4 | 4700MHz*km | / | 550m | 150m | 150m | |
OM5 | 28000MHz*km | / |
光ファイバの種類
SMF(Single Mode Fiber)シングルモードファイバコア径が小さく1310nmでの伝送特性に優れています。伝送損失が小さいため、安定した通信が可能で、1km以上の長距離通信に適しています。
MMF(Multi Mode Fiber)マルチモードファイバ広帯域低損失シングルモード。コア径50μm、クラッド径125μmのGI型光ファイバです。シングルモードに比べて伝送損失は大きいですが、対応ネットワーク機器が安価で、1km以下の中距離通信に適しています。ステップインデックス型(SI)グレートインデックス型(GI)の2タイプ。
DCF(Double-clad fiber):ダブルクラッドファイバ。クラッドが二重になるタイプ
PCF(Photonic Crystal Fiber):フォトニック結晶ファイバは次の3タイプに分けられる。エンドレス・シングルモード用フォト結晶ファイバ(ESM(Photocrystalline fiber for endless single mode))スーパーコンティニウム光発生用フォト結晶ファイバ(SC)フォトニックバンドギャップ型フォト結晶ファイバ(PB)。
VCSEL (Vertical cavitiy surface emitting laser) :製造されたウェーハの表面から垂直に円錐形のビームで光を放射するレーザダイオードです。VCSEL は、チップの片端あるいは両端から光を放射する従来の端面発光レーザダイオードに比べて、多くのメリットがあります。産業用、民生用を問わず、VCSELはさまざまな波長で利用できます。標準波長は、760 nm、850 nm、940nm の範囲です。
光ケーブルのコネクタ形状
主な種類はLCコネクタとSCコネクタですが、色々他にもあります。
LCコネクタ:小型なので高密度実装ができます。
SCコネクタ:最も一般的なコネクタで、LANの世界標準となっています。
FCコネクタ:ネジ締め型で、計測器やLAN、公衆通信回線などに最適です。
STコネクタ:バヨネット締結型で、計測器やLAN、公衆通信回線、伝送システム内などに最適です。
MUコネクタ:非常に小型で高密度実装が可能です。一般的にデータセンター、テレコミュニケーション、ケーブル配線およびLAN等に使用されます。
MTコネクタ・MPOコネクタなど存在するようです。
そして研磨。。
PC(Physical Contact)研磨 MMF用
SPC(Super Physical Contact)研磨 SMF用
UPC(Ultra Physical Contact)研磨 SMF用
APC(8 degree Angled Physical Contact) 研磨
Flat研磨
斜め研磨(8 degree angled rectangular)
使用環境・用途
屋内オフィス
光ファイバケーブル(屋内用2芯):ギガビットイーサネット対応、ノイズ対策万全の光ファイバケーブル。
10G対応光ファイバケーブル:10GBASE-SR/SW規格伝送に対応し、10ギガビット高速通信が可能なOM3仕様準拠。
屋内コンサート・公演会場・建物内の基幹線
ロバスト光ファイバケーブル:高強度・高信頼性に加えて柔軟性も兼ね備えた 光ファイバケーブル。
コンサート・フェスなどの屋外会場・工場建屋間・ビル同士の間の接続
防水ロバスト光ファイバケーブル:高強度・高信頼性に加えて柔軟性も兼ね備えた 防水タイプの光ファイバケーブル。
各種工業用ロボット接続・移動体間の伸縮追従接続・屋外観測器・直射日光や雨などが直接当たる場所
タクティカル光ファイバケーブル:引張りにも強く、柔軟性、防水性を兼ね備えた 光ファイバケーブル。
Ethernetとはいえ、とても深く、要素のみ追っかける程度になってしまった。
一番驚いたのは、Ethernetは、富士ゼロックス社の登録商標です。
reference:
https://www.netgear.com/jp/business/solutions/feature/10g/
https://www.sanwa.co.jp/seihin_joho/hikaricable_select/index.html
https://www.trumpf.com/ja_JP/
https://www.cybernet.co.jp/optservice/column/trust/05.html